経済

    インドネシアにおける日本企業の進出状況

    インドネシアは経済成長を続けているだけではなく、石油や天然ガスなどの鉱物、森林や農産物など多くの天然資源に恵まれた魅力溢れる国。

    世界第4位の人口を抱える巨大マーケットとして注目を集めています。

    「インドネシアに日本企業はどのくらい進出しているの?」

    「どんな都市に進出しているのか特徴が知りたい!」

    「進出を考えているけれど、インドネシア情勢はどうなっている?」

    新しいことを始める前は、わからないことばかりで悩みますよね。

    そこで今回は、インドネシアにおける日本企業の進出状況について解説していきます。

    今後のインドネシア情勢も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

    インドネシアに日本企業はどのくらい進出している?

    ここでは、インドネシアへ進出している日本企業の状況・進出企業数・在留邦人数の3つのポイントに絞って紹介します。

    日本企業の進出状況

    インドネシアの人口は約2億7千万人以上おり、中国・インド・アメリカに続く第4位。

    豊かな天然資源や若い労働力が魅力とされ、成長著しい市場です。

    「アジアで最大の経済規模を持つ」とも、言われています。

    そのため、日本企業にとっては投資や販売拡大の機会があるということ。

    日本企業が進出を行っている分野は、下記のとおりです。

    • 自動車
    • 電機製品
    • 食品
    • 建設
    • 鉱業など

    また、日本企業は現地での生産拠点や研究開発拠点を設立し、現地の労働力を活用して事業展開を行っています。

    日本の進出企業数

    インドネシアに進出している企業数は1,489社(2020年1月ジェトロジャカルタ事業所より)。

    内訳は下記のとおり。

    • 現地法人:1,401
    • 駐在員事務所:87
    • 支店:1

    ジャカルタ都市圏の人口や所得増加の市場拡大を背景に「インフラ・都市開発」や「消費財・サービス」への投資が多様化しています。

    新型コロナウイルス以降は「DX関連」の新しい産業分野への投資も見られ、進出企業は今後もますます増えていくでしょう。

    在留邦人数

    インドネシアに在留している日本人の人数は19,717人(2017年10月時点インドネシア日本国大使館より)と推定されています。

    2012年の5年前と比較しても、約5,000人増加しており、駐在員や留学生・技術者・ビジネスパーソン・家族が含まれます。

    進出している都市はどこが多い?

    ここでは、日本企業が進出している都市について解説していきます。

    主に進出している都市は、以下のとおり。

    • ジャカルタ:659社
    • 西ジャワ:655社
    • バンテン:65社
    • 東ジャワ:53社
    • 中部ジャワ:21社

    進出している日本企業1,489社のうち、ほとんどが首都ジャカルタと西ジャワに集まっていることがわかります。

    つぎに、日本企業の進出数が特に多いジャカルタ・西ジャワ・バンテンの3地域の特徴について紹介します。

    ジャカルタ

    ジャカルタは経済的な活動が盛んであり、多くの日本企業がオフィスや工場を設けています。

    インドネシアの首都であり、人口が約1000万人を超える大都市。

    ジャカルタの特徴的なポイントをいくつか挙げます。

    • 経済の中心地
      ジャカルタはインドネシアの経済の中心地。国内の多くの企業や金融機関の本社や支店が集中しています。商業や貿易の拠点でもあるため、多くの国内外の企業が進出しています。
    • 交通渋滞
      ジャカルタは交通渋滞が深刻な都市としても知られています。人口の増加と車の台数の急増により、道路網の混雑が日常的な課題。これに対応するため、公共交通機関の整備やインフラ改善の取り組みが行われています。
    • 文化と宗教の多様性
      ジャカルタは多様な文化と宗教が混在している都市。イスラム教が主要な宗教ですが、キリスト教やヒンドゥー教、仏教なども信仰されています。これにより、多様な宗教的行事や文化イベントが開催されており、さまざまな文化体験ができるでしょう。
    • 観光地
      ジャカルタには観光地もあります。例えば、国立博物館やインドネシア国立美術館などの文化施設、オールドタウン(コタ・テュア)の歴史的建造物、トゥガ・ネガラ広場などが人気の観光スポット。また、ジャカルタ近郊には美しいビーチや自然保護区もあります。
    • 食文化
      ジャカルタでは多様な料理が楽しめます。伝統的なインドネシア料理や地元のジャワ料理、中国料理、インド料理、日本料理などが提供されています。ジャカルタには多くのレストランや屋台があるので、現地の味を気軽に楽しむことができるでしょう。

    以上が一般的なジャカルタの特徴ですが、都市の魅力はさまざまな要素によって形成されています。

    地域ごとに特色や個性も異なるため、実際に訪れて探索することで、より深い理解と体験が得られるでしょう。

    今後さらなる経済成長が期待されているジャカルタへの進出を、ぜひ検討してみてください。

    西ジャワ

    西ジャワは、インドネシアのジャワ島西部に位置する州です。

    西ジャワの特徴的なポイントは、下記のとおり。

    • 地理的特徴
      西ジャワはジャワ島の一部であり、ジャカルタの隣に位置しています。地理的には海に面しており、バンテン海峡を挟んでジャワ島の他の地域と隣接しています。州内には山岳地帯や河川、肥沃な平野地帯など多様な地形が広がっているのが特徴です。
    • 文化と歴史
      西ジャワは多様な文化と歴史を有しています。州内にはスンダ族が主な民族であり、スンダ文化が根付いています。バンドン市やスカンダリア市などの都市では、伝統的な音楽や舞踊、工芸品などの体験が可能です。また、カラウン県にはインドネシア最古のヒンドゥー教寺院であるチャンディ・チャタラ寺院があり、歴史的な遺産も見られます。
    • 自然の美しさ
      州内には多くの山々があり、ボゴールのパンガルン・ゴンドォ山やガルチャ山、チブアユ山などが人気のハイキングやトレッキングスポット。また、西ジャワにはボゴール植物園やカワフィ・プラウォン保護区などの自然公園もあり、植物や野生動物の豊かな生態系を観察することができるでしょう。
    • 食文化
      西ジャワの食文化は多彩で、地元の料理が楽しめます。例えば「ソト・バンテン」はバンテン州発祥のスープ料理で、辛さと香辛料の利いたスープが特徴です。「ナシ・テンドロ」はバンドン市の名物で、ご飯と野菜、卵、煮込み肉などの組み合わせが特徴です。
    • 工業と商業の拠点
      西ジャワは経済的にも重要な地域。州内には多くの工業地帯があり、製造業や加工業が盛んです。また、バンドン市は商業の中心地としても知られており、さまざまな商業施設やマーケットがあります。

    上記で紹介した西ジャワの特徴はほんの一部ですが、州内にはさらに多くの魅力的な要素があります。

    実際に訪れて西ジャワの豊かな文化、美しい自然、美味しい食事、そして人々の暖かさを体験してみてください。

    バンテン

    バンテンは、インドネシアのジャワ島西部に位置する州であり、ジャカルタの隣に位置しています。

    以下に、バンテンの特徴的な点をいくつか挙げます。

    • 歴史的な遺産
      バンテンには歴史的な遺産が数多く存在します。かつてはバンテン王国の中心地であり、オールド・バンテン(カワサン)にはバンテン王国の宮殿の遺跡やモスクが残っています。また、州内にはチャンディ・バンドンやチャンディ・カセギャンといった仏教・ヒンドゥー教の古代遺跡もあります。
    • 文化と宗教
      バンテンはスンダ族が主な民族であり、スンダ文化が根付いています。バンテン州内ではスンダ語が話されており、伝統的な音楽や舞踊、手工芸品などを体験することができます。また、イスラム教が主要な宗教であり、バンテンには美しいモスクやイスラム教の学術機関もあります。
    • 自然の美しさ
      ウジャン・パンガン国立公園は、熱帯雨林やマングローブの森、美しいビーチを含む豊かな生態系が広がっています。また、サワルナ・ビーチやアンカール・ショレなど、美しいビーチやマリンスポーツの楽しめる場所もあります。
    • 工業と経済
      バンテンは工業と経済の発展が進んでいます。州内には多くの工業団地や工業施設があり、製造業や加工業が活発です。特に石油精製、化学工業、食品加工、繊維産業などが重要な産業となっています。
    • 観光地
      タンジュング・レジャやタマン・サファリ・インドネシア、ベダウィーン村などは人気の観光スポット。また、グンユト・プラワンやスンダ・クラトン(宮殿)も文化的な見どころとなっています。

    バンテンは歴史的な遺産、文化の豊かさ、美しい自然環境が魅力であり、訪れる人々に多様な体験を提供してくれるでしょう。

    インドネシアに進出している日本企業

    インドネシアに進出している日本企業の中には、多くの大手企業が含まれています。

    代表的な日本企業の一部を紹介します。

    • トヨタ自動車:自動車メーカーとしてインドネシア市場での生産と販売を行っています。
    • 本田技研工業(ホンダ):自動車およびオートバイの製造と販売を行っています。
    • ソニー :電子製品、家庭用品、エンターテイメント製品の販売とサービスを提供しています。
    • パナソニック :家電製品、エネルギー関連製品、産業機器などの提供を行っています。
    • 三菱商事 :幅広い産業分野で事業展開しており、鉱業、エネルギー、自動車、化学品などに関与しています。

    他にも多くの日本企業がインドネシアで事業を展開しています。

    進出企業は年々増加しているため、これから先の経済成長が期待できるでしょう。

    これからのインドネシア情勢

    ここでは、2023年現在のインドネシア情勢について解説します。

    インドネシア進出を検討する際の参考にしてみてください。

    1. 経済成長

    インドネシアは引き続き経済成長が期待されています。消費市場の拡大やインフラ整備への投資などが成長を牽引しています。

    2. 政治情勢

    インドネシアでは2024年に大統領選挙が予定されており、政治的な動向が注目されています。政策の安定性と政治的なリーダーシップの役割がインドネシアの将来に大きな影響を与えるでしょう。

    3. 投資環境

    インドネシアは外国直接投資を奨励しており、ビジネス環境の改善に取り組んでいます。規制緩和やビジネスの円滑化を目指す政策が進められていますが、投資環境の改善が求められる課題も残っています。

    4. 持続可能な開発

    インドネシアは環境問題や気候変動への対応を重視しています。持続可能な開発や再生可能エネルギーへの取り組みが進んでおり、これらの分野でのビジネス機会も増えています。

    ただし、インドネシアの政治や経済・社会の情勢は常に変動しています。

    公式な情報源や現地のニュースを確認し、最新の情報を入手することが重要です。

    まとめ

    本記事では、インドネシアにおける日本企業の進出状況について詳しく解説しました。

    経済成長の側面だけではなく、従業員雇用のしやすさや天然資源の豊富さの観点からもバランスのとれた国。

    インドネシアはインフラの整備やビジネスの機会がたくさんあるため、日本企業にとって魅力的な市場だといえるでしょう。

    私たちは、インドネシアへ進出する日本企業様のサポートを10年に渡りおこなっています。

    「インドネシアへの進出を考えている!」という企業様は、ぜひ一度お気軽に弊社までご相談ください。

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