共和国独立記念日について

    2023年でインドネシアは独立して78周年を迎えます。

    インドネシアは約300年間オランダの植民地だったため、教育を禁止されたり重税を課せられたりと、長期にわたり苦しめられてきました。

    そんな中で、以下のように考える方も多いのではないでしょうか。

    「インドネシアはどうやって独立したの?」

    「インドネシアの独立に日本人が関わっていたのは本当?」

    「独立記念日はどのようにお祝いされるのか知りたい!」

    インドネシアへの進出を検討するうえで、国の文化や歴史も気になりますよね。

    そこで今回は、インドネシアの独立記念日についてわかりやすく解説していきます。

    独立記念日の祝い方やイベント内容も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

    共和国の独立記念日はいつ?

    インドネシア共和国の独立記念日は、毎年8月17日に祝われる、インドネシアの国家独立を記念する特別な日。

    この日は、1945年8月17日にインドネシアが独立を宣言した日として記念しています。

    独立宣言は、日本軍が第二次世界大戦中に占領していたインドネシアにおいて、スカルノとハッタらの指導者によって行われました。

    独立記念日は国民の祝日であり、国内外で様々なイベントや行事が催され、インドネシアの歴史と文化を称える機会となっています。

    インドネシア独立までの歴史

    インドネシア共和国の独立までの歴史は複雑で長いものです。

    ここでは、独立までの要点をまとめています。

    さっそく確認してみましょう。

    1. 植民地時代

    16世紀から、オランダがインドネシア諸島を植民地化。オランダ東インド会社が支配し、豊かな資源を利用して植民地経済を発展させました。

    2. 日本の占領

     第二次世界大戦中、1942年に日本がインドネシアを占領。日本の統治下で、独立の気運が高まりました。

    3. 独立宣言

    1945年8月17日にスカルノとハッタなどの指導者たちは、日本の降伏に乗じてインドネシアの独立を宣言。しかし、実際にはオランダや連合国との抗争が続きました。

    4. インドネシア独立戦争

     独立宣言に対し、オランダはインドネシアに対する支配を回復しようとしました。この間、インドネシア独立戦争が勃発し、激しい戦闘が続きました。

    5. オランダの承認

    国際的な圧力や戦争の疲弊により、オランダはインドネシアの独立を認めざるを得なくなりました。1949年にオランダはインドネシアの主権を承認し、インドネシア共和国が成立。

    こうして、4年5ヶ月にわたる長い闘いの末にインドネシアは独立を達成し、国際的に独立国として認められました。

    つまり、約300年に及ぶオランダの支配から逃れられたということ。

    この歴史的な過程は、インドネシアの国民の努力と意志の結果であり、国の誇りとなっているでしょう。

    インドネシアの独立に日本軍が関わっていた?

    インドネシア独立戦争と日本軍との関係は、第二次世界大戦中の日本の占領下で始まります。

    ここでは、インドネシア独立に日本人がどのように関わっていたのか、詳細を解説していきます。

    抑えておきたいポイントは、以下の3つ。

    1942年 日本はインドネシアを占領

    インドネシア諸島を「大東亜共栄圏」の一部と位置づけ、日本はインドネシア人を国際的な民族としての認識を高めて、独立の意欲を刺激しました。

    日本の占領下で、インドネシア独立運動は活発化。

    一部のインドネシア人は、日本に協力して独立を実現しようとしましたが、他方では独自の独立戦争を進める運動も存在しました。

    1945年8月17日 独立宣言

    日本が降伏した直後、スカルノやハッタなどのインドネシアの指導者は、日本の混乱に乗じてインドネシアの独立を宣言。

    このとき、日本軍の崩壊と連合国の介入により、インドネシアは事実上独立した状態となりました。

    しかし連合国軍の進駐後、オランダは再びインドネシアを植民地としようと試みました。

    これに対して、インドネシア人は独立を守るために戦ったため、インドネシア独立戦争が勃発。

    約1,000人の残留日本兵がインドネシア人とともに戦ったそうです。

    この戦争は、インドネシア人とオランダ軍との間で激しい戦闘が続いた時期であり、日本軍が占領期に残した武器や訓練の影響も一部見られました。

    1949年 インドネシア独立

    独立戦争の結果、オランダはインドネシアの独立を認めざるを得なくなり、1949年にインドネシア共和国が成立しました。

    このように、日本軍の占領が間接的にインドネシアの独立に影響を与えたと言えます。

    共和国独立記念日の祝い方

    インドネシア共和国の独立宣言記念式典は、毎年8月17日に行われる、インドネシアの独立宣言を祝う特別な行事です。

    この式典は国内外で盛大に行われ、インドネシアの歴史と国民の結束を称えるために開催されます。

    ここでは、一般的な独立記念日の祝い方について紹介します。

    1. 国旗掲揚式

    国旗が掲げられ、国民の誇りと統一を象徴します。式典の開始や終了時に国歌が斉唱されることもあります。

    2. パレード

     軍隊・警察・学生・地元の団体などが参加し、パレードが行われます。パレードでは、伝統的な衣装や文化を披露することがあります。

    3. スピーチと演説

    政府関係者や有力者がスピーチや演説を行い、インドネシアの歴史や独立への尊敬を表現します。

    4. 文化イベント

    音楽・ダンス・演劇などの文化的なパフォーマンスが行われ、国の多様性と誇りを祝います。

    5. 記念碑の訪問

     独立宣言が行われた場所やその周辺の記念碑を訪れることがあり、独立の歴史を思い起こします。

    6. 社会奉仕活動

    独立記念日を機に、ボランティア活動や社会奉仕活動が行われることがあります。地域の改善や支援を通じて、国民の結束を深めています。

    インドネシア共和国の独立宣言記念式典は、国の統一と誇りを強調し、国民の団結を高める重要なイベントとなっているでしょう。

    2023年の共和国独立記念日はどうなる?

    インドネシアが独立して2023年で78周年を迎えます。

    8月17日は国民の祝日であり、さまざまなイベントが開催されるので、盛大にお祝いしたいところ。

    しかし2020年以降は、新型コロナウイルス感染症拡大のため、イベントが中止されたりオンラインに変更されたりと、規模が縮小していました。

    ここでは、2023年の独立記念日はどのようにお祝いされるのか紹介していきます。

    スケジュール

    イベントは、ムルデカ宮殿の前庭の前で国民の追悼と祈りから始まります。

    2023年のスケジュールは、以下のとおり。

    • 8月14日 栄誉賞授与式
    • 8月15日 国旗掲揚部隊(パスキブランカ)の発足式
    • 8月16日 人民議会/下院/地方代表者会議での2024年国家予算案に関する演説および国家公務の機会
    • 8月17日 夜明け前にカリバタ英雄墓地で敬礼と聖なる反省が行われ、午前中にインドネシア共和国独立宣言の秒読みの記念式典、午後に紅白旗の降下式が行われる。

    公布秒読み式典と国旗降下式典は、ムルデカ宮殿で行われています。

    「パンダン・イスターナの申請システム」を通じて登録すれば、一般市民も式典に参加する機会が得られます。

    サイドイベント

    portrait of a young woman wearing Javanese kebaya traditional clothes

    アンジェラ・クリエイティブエコノミー副大臣によると、3つのサイドイベントが用意されています。

    これは、インドネシアの伝統と文化における民族精神と誇りを呼び覚ますために開催されるイベント。

    それではひとつずつチェックしていきましょう。

    ①アンクルン

    8月5日に開催される2023年アンクルンの世界記録またはギネス世界記録(GWR)を破るためのパフォーマンス。

    サウン・アンクルン・ウドジョの指導による15,000人のアンクルン(スンダ楽器)奏者が参加し、国歌「Berkibarlah Benderaku」と国際的な歌「Wind of Change」を演奏します。

    このイベントの目的は、インドネシア文化への国民の愛を高めること。

    人々の心がひとつになり、団結力も高まるでしょう。

    ②イスタナ・ブルクバヤ

    8月6日に開催される “Istana Berkebaya”(宮殿でケバヤを着る)をテーマとしたケバヤ(女性の民族衣装)ファッションショー。

    DKIジャカルタ州政府が主導し、ケバヤを着る文化を通じてナショナリズムを支持することを目的としています。

    約400人の参加者がムルデカ宮殿前の200メートルのキャットウォークでケバヤショーを披露します。

    インドネシアの女性著名人がケバヤを着用するため、イベントも盛り上がることでしょう。

    ③ゲミラン・シラン・モナス

    8月17日に開催される”Gemilang Silang Monas”は、独立記念碑にプロジェクションマッピングが映し出されます。

    ダンスや音楽のパフォーマンス、バザー、花火大会も用意されており、国全体で盛大に祝われることでしょう。

    まとめ

    本記事では、インドネシア共和国の独立記念日について詳しく解説しました。

    「1945年8月17日」は独立を宣言したインドネシアにとって、とても特別な日。

    日本がインドネシアを統治した約3年間では、、以下のようなことを実施しました。

    • 学校を設置して教育の基盤を整える
    • 民族語をインドネシア語に統一する
    • 軍事訓練をおこない、祖国防衛義勇軍(PETA)を創設する

    オランダとの独立戦争の際に、PETAは指導的な役割を果たすことになるため、日本の影響はかなり大きいといえるでしょう。

    インドネシア人に親日家が多いのも、過去の背景があるからかもしれませんね。

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